沖縄そばの日は1997年10月17日に制定されました。
10月17日はかつて沖縄そばの名称をめぐって
争いが決着した日からきています。
沖縄そばは、そば粉を使わないおそばです。
そのため、「そば」という名称を表示するのは
ふさわしくないと1976年に公正取引委員会から
指摘がありました。
「生めん類の表示に関する公正競争規約」に
基づくと「そば」という名称を表示するには原料のそば粉を三割以上使用していることとあった
のが原因でした。
そうなると県民に長く親しまれてきた「沖縄そば」の名称が使えなくなり、沖縄の食文化が変
わって
しまう。そんなことはあってはならない。
そう考えた、当時の県生麺協同組合理事長を務めていた𡈽肥健一(サン食品創業者)が中心となり、
その名称を残すべく尽力しました。
一人で繰り返す東京への要請。朝、自宅で茹でた
麺と具、スープを持って飛行機に飛び乗り、食糧庁(当時)で担当者に実際に食べてもらうものの大方は「美味しくない」という反応が返ってきますが、
𡈽肥は一歩も引かず「あなたの故郷の食べ物は故郷で食べるのが一番美味しいはずだ。沖縄で食べてほしい」と説得をし、根負けした役人を連れて帰ってくることもありました。
また、認可を得るためには歴史の立証が必要だと考え、北京大学の協力も
得て、中国の文献「琉球交流史」に沖縄そばの記述があることを突き止めました。
その結果、1978年10月17日、「名産・特産・本場等の表示」を条件に沖縄そばの名称認可を受けることができました。
つまり10月17日は「沖縄そば」の名称が全国的に認められた記念の日なのです。
戦後の本土復帰後の沖縄で発展に貢献した人物を
紹介する番組、オキナワ強者列伝 「𡈽肥
健一
~沖縄そばの名を守るべく国のルールと闘った
熱血漢~」
の番組取材・制作協力
サン食品創業者である𡈽肥健一と琉球大学名誉
教授 高良倉吉先生(当時 沖縄資料編集所
専門員)、与久田孝子氏(当時 沖縄歴史研究会会員)による沖縄そばの歴史に関する著書「沖縄そばに関する調査報告書」。
当時文献などにも
残っていなかった沖縄そばの歴史について、後世にも残そうと、関係者を一人一人取材し沖縄そばの成り立ちに関する本を作成しました。